英語の発音では、単語をつなげて話すと、音がつながったり(連結)、発音しない音(脱落)が出てくることがあります。これをリンキングといいます。
- 英語が聞き取れない
- スピーキングで通じない
- スクリプトと聞こえる音が一致しない
そんときは、この音のつながりや発音しない音を意識してみるといいかもしれません。
リンキングにはいろいろなパターンがありますが、今日は「バカ!バカ!」を例に挙げて2つだけ紹介します。
英語を自然なスピードで話すと、
- 単語と単語の間をつなげて発音するときがある(連結)
- 文末の音ははっきり発音しないときがある (脱落)
英語を話すときは、子音は口の形をつくるだけでOK
「バカ!バカ!」と叫んだら英語に聞こえた?
英語圏で生活していると、自分の英語が通じないことは多々ありますが、ごくごくたまに思いがけず日本語が通じる瞬間があります。
このエピソードもそんな偶然の一つです。
3歳のころ、わたしはクリスマスにサンタさんにもらったクルマがお気に入りで、毎日庭で遊んでいました。
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あるとき、向かいの家の男の子も似たようなクルマのおもちゃでやってきました。
男の子はクルマで遊ぶわたしを追いかけてきます。逃げ回っていたわたしは、とうとう庭のフェンスと男の子のクルマに挟まれてしまいました。
クルマが動かせなくなったわたしは、抗議したくて、でも英語がわからないから困ってしまいました。悔しい気持ちのまま、精一杯「バカ!バカ!」と叫びました。
すると、通じたのです。
男の子は
「オーケー!バカ!バカ!」
と言いながら後ろに下がってくれたのです。
男の子はなんで後ろに下がってくれたのでしょう?
「バカ!バカ!」は
Back up! Back up! (バックして!)
と聞こえていたのです。
Back up! Back up! (バックして!)の発音は
「バックアップ!バックアップ!」
ではなく、
「バカ!バカ!」
がむしろネイティブの発音に近い音だということでしょう。
英語ではこのように音が連結したり、発音しない音が出てきたりします。
どんなルールでこの音の連結や脱落がおきているでしょうか?
音の連結
英語は文章を話すとき、一語一語わけて話さず、単語と単語の間の音をつなげて発音します。これを音の連結といいます。
次の単語が前の単語の音とつながって発音されるため、単語の切れ目がわかりにくくなります。
音の連結のパターンは2つ
音の連結は2種類あります。
①子音+母音
②母音+母音
音の連結が起こるとどんなふうに聞こえる?
今回のエピソードの例「バカ!バカ!」では①子音+母音の音の連結がおこっています。
Back up バックアップ→バカップ
- 子音(k)が次の母音とつながって発音が変わります。
- 「ッ」がなくなって、つながる前の母音も少し短くなります。
同様の例は他の子音でも起こります。
くわしくは、英語っぽい発音の法則 リンキングのすべて(準備中)をどうぞ。
この連結は文章を話す場合に必ず起こるものなので、一語一語区切って話していると、ロボットのように聞こえてしまったり、場合によっては言いたいことが通じないこともあります。
バックアップ、バックアップ!と言っていたらおそらく通じなかったでしょう。
音の脱落
Back up!がバカ!に聞こえるとき、最後のpはどこに行ってしまったのでしょう。
これが音の脱落です。
英語で子音が重なるときや、文の最後に子音がくるとき、音の脱落がおこり、前の子音を発音しなくなることがあります。ゆっくりと1語1語発話した時には発音される音が、省略され、発音されなくなります。
音の脱落のパターンは2つ
音の脱落は2種類あります。
①子音+子音
②文末の子音の脱落
音の脱落が起こるとどんなふうに聞こえる?
今回のエピソードの例「バカ!バカ!」では②文末の子音の脱落がおこっています。
文末の子音は
Back up! Back up!
バカップバカップ→バカッバカッ
- 最後のpは口の形はつくるだけで、ほとんど発音しません。
同様の例は
got it ゴティッ(t)
get up ゲタッ(p)
などが上げられます。
ネイティブはこのような短い単語を使った熟語を多用するので、連結と文末の子音の脱落が起きると、なにを言っているのか全くわからないこともあります。語尾はほとんど発音しないということを意識して音読やスピーキングの練習をしてみましょう。
まとめ:英語の子音は口で形をつくるだけ
英語は単語がつながった場合に、音の連結や脱落が起こります。発音しやすいように変化しているものですが、慣れていないと聞き取りや発音が難しいものもあるかもしれません。
おおざっぱに言うと、
- 音の連結も音の脱落も、子音は口の形をつくるだけ。
- 母音から始まる単語がつながればそのまま発音
- 文の終わりであれば、口の形を作るだけで発音しない
つながったり、発音しなかったりするルールを考えると難しいですが、「口の形をつくるだけ」を意識すると簡単に英語っぽくできると思います。
Back up! Back up! の発音は
バカ!バカ!
これを頭の片隅において発音練習や音読に取り組んでみてください。
音読や自然なリンキングのリスニングの練習教材には6 minute Englishがおすすめです。
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