ビジネス英語に必要な単語数とおすすめ勉強法

仕事で使える英語

この記事でわかること

  • ビジネス英語に必要な単語はどれくらいか
  • 英単語の効率的な勉強法
  • 挫折しないためのコツ

語学の基本は単語です。

でもビジネスで英語を使えるようになるために、どれくらい英単語を覚えればいいのかもわからない。加えて単語の勉強は単調でつまらない、と思う方も多いかもしれません。

日常会話のための単語、洋画やドラマを見るための単語、ビジネスで使う単語はそれぞれ違います。また、ビジネス英語といっても、あなたが働く業界や職種によっても必要な単語力は異なります。少ない時間で最大の効率を上げたいという方に向けて、あなたがビジネスで英語を使うために最低限必要な単語とその身につけ方をお伝えします。

ビジネス英語に必要な単語

ビジネスで英語を使う上で必要な単語は、共通で最低限身につけておくべき基本の単語と、それぞれの職務内容や分野によって異なる専門用語に分けられます。

基本の単語はおおよそ7000語専門用語は仕事内容や分野によりますが100~1000語程度必要になるのではないかと思います。

基本の単語

どんな分野で働く方も共通して身につけるべき基本の単語はTOEIC700点レベル、約7000語程度です。7000語とは、高校までの授業で習う単語約5000語に加えて、2000語程度覚える必要があるということです。

このレベルの単語力が必要な理由は、ビジネスパーソン向けのある程度まとまった量の文章を辞書なしでなんとか読めるレベルが7000語程度だからです。

ビジネス英語の場合、シーンを限定するとアクティブボキャブラリーとして必要な単語はもっと限定的です。一部では1500語程度で事足りるとの記載もあります。

ビジネス英語に必要な単語数は、日常英会話の半分以下にあたる1,500語です。1,500語がしっかり身に付いていれば、ビジネス上で十分コミュニケーションが取れます。

引用:Bizmetes

しかし、英語で仕事をする上では英語の処理能力、つまり英語を読む速度や話された英語をそのまま理解する力を高める必要があります。処理能力を高めるトレーニングを実施するためにもビジネスマン向けの文章を辞書なしで読めるレベルの単語力はあることが望ましいと考えます。

また、7000語レベル以上の単語は多読やリスニングといったトレーニングや実務で英語を使う中で身につけることができます。最低限7000語レベルを覚えることができれば、それ以上の語彙は日々の実践の中で覚えることができます。

専門分野の単語

基本の単語に加えて、専門分野や仕事の内容に関わる単語も覚える必要があります。専門分野の単語は個々の単語も、覚えるべき単語数も個々人により異なります。

普段の仕事を思い浮かべてみてください。専門用語をたくさん用いる仕事をしていれば、それだけたくさんの単語を覚える必要があるでしょう。一方で、ハイレベルな内容や抽象的なことを多く扱うのであれば、覚えるべき単語は少ないかもしれません。

専門分野の単語は、業界のニュース、論文、自社や競合他社の英語版のウエブサイト等にざっと目を通し、何回も出てくるけど意味が分からない単語をピックアップして覚えます。

英単語の覚え方

英単語を覚える手順は次の3つです。

  1. 覚えるべき単語のリストアップ
  2. 単語の意味の理解
  3. 英単語をみて意味が思い浮かべられるかチェック(定着を目的とした復習)

英単語リストの8割くらいについて意味が瞬間的に思い浮かべられれば、OKとします。

覚えるべき単語のリストアップ

まずは覚えるべき単語のリストアップをします。

TOEIC730点未満の場合は基本の単語が足りないと考えられます。単語帳を一冊こなして、ビジネスマン向けの英語の文章を辞書なしで読めるレベルにしましょう。

TOEIC730点を越えている場合は、基本の単語は省略して、専門分野の単語のリストアップに進みましょう。

基本の単語

基本の単語は市販の単語帳がたくさんあるので活用しましょう。単語帳はレベルがあっていれば好みのものを選べばよいと思います。

個人的に好きなのは以下の2つです。例文が面白いものがよければDUO3.0、整理されたレイアウトで機械的にどんどん覚えていく方が性に合っていればキクタンがおすすめです。

DUO 3.0

対応レベル TOEIC600~780点

英文560本で重要単語1572語、997語をカバー

おすすめポイント

  • 復習用CD(1260円)はナチュラルスピードで例文を読み上げる。1時間で単語帳1冊を1周可能。音声を聞いて覚えることでリスニングの練習にもなる
  • 無味乾燥な例文ではなく、中身があり緩やかなストーリーもあるため暗唱が苦にならない。
  • 例文は45のセクションに分かれており、各セクションごとに思想、文学、仕事の場面などざっくりとしたテーマごとに例文がまとまっている。そのため、類義語や同じ場面で使う単語をまとめて覚えられる
キクタン

対応レベル TOEIC800点

600点の単語帳をパラ見して、わからない単語が多そうであればそちらをさっくりとこなしてからが良いでしょう。

おすすめポイント

  • 英単語、意味、例文、類義語、反義語がシンプルにレイアウトされており見やすい
  • 赤シートで隠せる
  • レベル別になっているため、良く使われる単語から効率よく覚えられる

専門分野の単語

専門分野の単語リストは、業界に関わる英語の文書に目を通して、必要な単語をピックアップしてリストを作ります。専門分野の単語についてはなかなかまとまった単語帳がないので自分で単語帳を作る必要があります。

業界のニュース、論文、自社や競合他社の英語版のウエブサイト等にざっと目を通し、何回も出てくるけど意味が分からない単語を単語帳にまとめます。

日本語の専門用語リストから翻訳しないのは、同じ日本語の単語でも分野によって良く使われる英単語が異なる場合があるからです。

卑近な例ですが、例えばバッテリーの「持ちがよい」[long battery life]というのと、化粧品の「持ちがよい」[last all day / last longer]というのではよく使われる英語表現が異なります。日本語に対応する英語表現のうち、文脈に最も即したものがどれかを探すよりも、膨大にある英語の中から良く使う表現をピックアップした方が効率的で自然な表現が身に付きます。

単語帳は使いやすいものならなんでも良いですが、ブラウザで英語を読むことが多いのであれば、Weblioのプラグイン単語帳の組み合わせがおすすめです。

プラグインを使うと、わからない単語にカーソルをあてると意味がポップアップします。その時に一緒に表示される緑の+(プラス記号)を押すだけで単語帳に登録できます。単語帳は200語まで登録でき、覚えた/覚えていないの登録、フラッシュカードや選択式などの方法で復習できます。

英単語や英語表現を探す際の材料は以下のようなものを使うとよいでしょう

業界ニュース

自分の分野に関する記事を探して軽く目を通してみましょう。分野に特化したメディアが見つかると効率が良いです。会社で法人契約している媒体があればそちらも活用するといいでしょう。

以下は例として各地域の大手のニュースサイトを挙げました。

ニュースのいいところは、固い表現で書かれていることです。スラングやカジュアルな表現がないので、ここで見つけた単語や言い回しはそのままビジネスで使えます。

論文

専門的な内容の議論をしたり、レポートを作成する場合は、単語や表現を探す材料として論文も有効です。文献調査と同じ要領で、はじめはレビュー論文でざっと見出し語から必要単語をピックアップし、その後必要に応じて個々の論文で深堀して単語や表現を探すのが効率的です。

非ネイティブが著者の論文でも、OK!

ネイティブチェックをかけている場合がほとんどなので、気にせず参照して問題ありません。間違った表現を真似するのが心配な場合は大手の雑誌に載っているものか、被引用数が多いものをピックアップすれば良いでしょう。

所属組織で契約していればそのデータベースを使いましょう。特に有料データベースを登録していなければGoogle Scholorを使って検索しましょう。

自社、競合他社のウェブサイト

自社や競合他社の英語版のウェブサイトも参考になります。

会社概要の分野の説明、サービスや商品の説明には、仕事で使う用語が出てくる可能性は高いはずです。人事関連であれば採用情報、経理であればIR向けニュースなども参考になるでしょう。

例えば、営業の場合は・・・

商品説明を見れば、

  • 商品のメリットの表現方法
  • 適切な形容詞
  • 比喩表現

などがわかります。競合他社のサイトも見ることで、自社特有の表現だけでなく、業界のスタンダードな表現も知ることができます。

専門分野の教科書

専門分野の教科書で英語の物があれば、ここから専門分野に関わる英語表現をピックアップするのも良いでしょう。

リストした単語の覚え方

単語の暗記は単調でつまらないので、はじめに短期集中で意味を理解してぼんやり覚え、その後定着させる目的で定期的に音声などで時間をかけずに復習するのが良いです。

計画的に復習するなら・・・

忘却曲線のルールを使ってアプリで復習サイクルを設定すると、いつ復習するか考えなくて良いのでいいでしょう。

漫然と単語帳をながめたり、ノートに書きとるのは効率が悪いので私はしません。

① 短期集中で単語の意味をぼんやり覚える方法

  1. 英単語をみてすぐに意味がわかる単語にマークをして、覚えるリストから除外する(1単語2秒以内)
  2. 覚えていない単語について、例文を読んで意味を理解する。(1単語10秒以内)
  3. 2の英単語について、日本語を隠して、例文を読んで意味が分かるかチェックする。(1単語5秒以内)
  4. わからなかった単語は例文を音読、イメージを浮かべる、すでに知っている類義語や反義語と結びつける、語源を読む、接頭語接尾語に着目するなど、多角的に理解を深める(1単語30秒以内)
  5. 全ての単語について例文を見て意味が思い浮かぶまで繰り返す。

コツ

  • サイクルを1回の学習時間でまわせるような分量になるように覚える単語数を限定する。単語学習20分であれば新しい単語30語分くらい。
  • 覚えている単語に時間をかけない
  • 単語を覚えるのに時間をかけない。繰り返しチェックして思い出そうとすることで記憶する

② 定着を目的とした復習の仕方

単語帳の復習は以下の順でやっています。手と目があくので音声で復習できると楽ですが、目で読んでチェックする形でも同様にできます。

  1. 英語を聞いて(または読んで)その瞬間に意味が思い浮かぶかをチェックする
  2. (リストが手元にある場合は以下も実施)すぐに理解できた単語にはわかったマークをつける
  3. 1周したらまたはじめに戻り、マークがついていない単語について、1と2を繰り返す

コツ

  • 新しい単語を覚えるのと、すでにぼんやり覚えている単語を思い出す作業はわけて行う
  • なかなか覚えられない単語については、意味を理解することに戻り、例文を音読、イメージを浮かべる、すでに知っている類義語や反義語と結びつける、語源を読む、接頭語接尾語に着目するなど、多角的に理解を深める

単語の学習で基本的な単語力が身に付いたら、あとは多読と大量のリスニングで語彙力を増強しましょう。

挫折しないために

単語学習は単調でつまらなく感じることもあるでしょう。単語学習に限定して、いくつか挫折しないコツを書いてみます。

習慣化する

単語学習、特に復習は習慣化して毎日単語に触れるようにすることが有効です。

習慣化のコツは時間と場所とやり方を具体的に決めることです。そして毎日何も考えなくてもできるように、環境をとことん整えます。

例えば、単語学習の場合は、

毎日単語を勉強するぞ!

と気合を入れるのではなく、

夕食後の午後8時に、ダイニングで、単語帳を開いて15分で1周する

というように決めるということです。

ここまで細かく決めると、

  • 夕食を8時に終えられるように6時に退社しよう。
  • ダイニングテーブルの近くに単語帳を準備しておこう。

などというように、決めたことを実行しやすい環境を整える具体的な方法が思い浮かびます。毎日苦労なくできる環境を整えれば、学習は習慣化し、気が付けば単語力が飛躍的に伸びているでしょう。

成長を実感する

習慣化できたとしても、勉強の成果が見えないと、このまま続けていいのか自信が持てないですよね。意識的に成長を実感するのがおすすめです。

小さな勝ちを見つけて祝う

小さな勝ちを自分で見つけて祝いましょう。過程の記録をつけると、小さな勝ちを見つけやすいです。

例えば、

  • 3日連続で単語学習ができた。
  • 前わからなかった単語を覚えた。
  • 単語帳を1周した、2周した、3周した

小さな勝ちを自分で見つけて認めるだけで達成感が味わえます。

定点観測を行う

成長を実感するために定点観測を行うこともお勧めです。これは過程ではなく、成果を目に見えるようにするために行います。

  • 単語力チェックテストを受ける
  • 専門分野のレポート、ニュース、洋書の多読で単語を調べる回数をチェック
  • 同じマテリアルでシャドーイングをする

1ヶ月に1回程度チェックすると前回からの進歩が見られて続けるモチベーションになると思います。進歩を目に見えるようにするために、定点観測も記録をつけましょう。

まとめ

ビジネス英語に必要な英単語は基本の単語7000語と専門分野の単語です。

単語を覚える方法は、

  1. 覚えるべき単語のリストアップ
  2. 単語の意味の理解
  3. 英単語をみて意味が思い浮かべられるかチェック(定着を目的とした復習)

の3ステップです。

単語のリストアップは、

  • 基本の単語については市販の単語帳を活用
  • 専門分野の単語は自分の仕事に関わる分野の文章を読み、そこから使える表現をピックアップして自分用の単語リストを作成しましょう

単語の意味の理解は覚えていない単語に集中して多角的に理解を深めることが有効です。

定着を目的とした復習は習慣化して繰り返すことが重要です。

単語学習は単調ですが、この土台が積みあがり、ある閾値を超えるとリーディング、リスニングが格段に進歩します。多くの仕事で読む必要のある文章についてはこの基本の7000語と分野ごとの専門用語が閾値になるでしょう。基本の7000語+専門用語が身に付けば、仕事で必要な文章は辞書なしで理解できるレベルになると思います。

わたしもこのレベルの単語力が身についてから、多読やリスニングの効果が飛躍的に上がったと感じています。

地道に積み重ねていきましょう!

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